橋本努『ロスト近代:資本主義の新たな駆動因』弘文堂、2012年5月。
4-6判 上製 432ページ
定価:2310円(税込)
2012年 5月刊
ISBN978-4-335-55152-9
C1036
・目次
はじめに
第1章 近代・ポスト近代・ロスト近代
0 はじめに
1 不可能性の時代?
2 「近代」の駆動因
3 「ポスト近代」の駆動因
4 「ロスト近代」の駆動因
5 自然の本来的価値を求めて
第2章 ロスト近代 表層から深層へ
0 はじめに
1 社会の新たな変動がはじまった
2 自己愛消費の終焉
3 情報無料化の時代
4 第三領域の失効
5 シンボリックに発見される「貧困」
6 象徴的「貧困」を克服するために
第3章 格差社会論 ゼロ年代の中心
0 はじめに
1 ゼロ年代の格差論を振り返る
2 論者たちのスタンスからみえてくるもの
3 高齢化ゆえの帰結
4 「ポスト近代」社会の成功ゆえの帰結
4?a 若年労働者問題
4?b 将来世代に希望を託す:子ども格差
5 鈍化した経済ゆえの帰結
5?a 賃金の低下
5?b 成果主義と競争原理の導入
5?c 高学歴ノーリターン問題
5?d 既得権層への不満
6 「ロスト近代」の視点で考える
6?a 可能性剥奪テーゼと物質的阻害テーゼ
6?b スーパーリッチと相対的貧困率
第4章 北欧型新自由主義の到来
0 はじめに
1 新自由主義化によって成功した北欧諸国
1?a 大きな政府でも経済成長するようになってきた
1?b 北欧諸国の新自由主義化
1?c アンデルセン・モデルの収斂?
1?d 北欧を目指すならせめてアメリカ並みに?
1?e フィンランドの教育に学ぶ
2 新自由主義の諸相
2?a 新自由主義の誤解を解く
2?b 新自由主義の諸類型
2?c 論争の収斂としての北欧型新自由主義
3 ロスト近代の社会秩序
3?a 社会的包摂の変容
3?b 子供信託基金
第5章 ローマ・クラブ型恐慌への不安と希望
0 はじめに
1 サブプライムは問題の本質ではない
1?a 「一〇〇年に一度」の嘘
1?b サブプライム問題がなくてもバブルは生じた
2 新自由主義と新重商主義
2?a パニックは不均衡の累積化ではない
2?b 金融規制を求めるリバタリアニズム
2?c 新自由主義批判の虚実
3 社会構造の理論
3?a ミンスキーの金融理論
3?b ルーマンのリスク論
4 ローマ・クラブ型恐慌
4?a ローマ・クラブの報告
4?b 地球温暖化問題との比較
4?c 祝福を受けた不安
第6章 グローバル化の逆説
0 はじめに
1 グローバリズムの歴史――過去二〇年間を振り返る
1?a 経済
1?b 社会運動
1?c 政治
2 新自由主義の変容
第7章 3・11大震災と原発事故を考える
0 はじめに
1 文明の視点で考える
1?a 明治維新と文明開化
1?b 第二の敗戦
1?c 関東大震災
1?d 水俣病
2 無責任の体制としての福島第一原発事故
2?a 原発事故の責任は誰にあるのか
2?b 「サブ政治」の落とし穴
2?c 原子力安全委員会の場合
3 安楽の全体主義を超えて
3?a 原発のコストをめぐって
3?b 鉄腕アトム問題と現代の「悪」
第8章 グリーン・イノベーション論
0 はじめに
1 原子力エネルギーからの脱却
1?a 長期的な成長の理念
1?b 電力供給をめぐる思想的問題
2 自然エネルギー導入をめぐる思想理念
2?a 第三次産業革命
2?b 自律分散型の技術編成
2?c コミュニティ(地方自治体)主導の必要性
2?d 自律分散型社会のシナリオ
3 自然エネルギー促進のための制度理念
3?a 税制の理念
3?b 補助金の考え方
4 国と地方の役割分担
4?a いくつかの先駆的事例
4?b 政府と地方自治体の課題
4?c 自然エネルギー導入の問題点
第9章 ロスト近代の原理
0 はじめに
1 アリストテレス主義の拡張
2 バイオミミクリー
3 環境市民:新たなロマン主義の誕生
4 高貴な野生人としての環境市民
注
あとがき
文献
索引
・版元の紹介ページ
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/55152.html