門亜樹子『啓発された自己愛 -啓蒙主義とバルベラックの道徳思想』京都大学学術出版会、2019年2月。
出版年月:2019年2月
判型・ページ数:A5上製・288頁
定価:本体3,600円+税
ISBN:9784814001958
目次
まえがき
凡例
序章 キリスト教的人間像の変遷と道徳哲学
I バルベラックとその時代 ――自然法学とスコットランド啓蒙
II バルベラックはどう読まれてきたか
III 本書の視点
1 啓蒙主義と「啓発された自己愛」
2 ティロットスンからアバディーン啓蒙へ ――道徳哲学と「明証性の理論」
3 哲学史 ――コモンセンス哲学のフランスへの伝播
第1章 バルベラック『道徳哲学史』と自然法学
I はじめに ――スコットランド啓蒙思想とバルベラック
II バルベラックと『道徳哲学史
1 バルベラックの生涯と著作
2 『道徳哲学史』の紹介
III 『道徳哲学史』における教父批判
――教会史および哲学史との比較
1 『道徳哲学史』と教会史
2 『道徳哲学史』と哲学史
3 『道徳哲学史』と『自然法史』
4 聖職者批判と福音道徳
(1) 聖職者批判
(2) 福音道徳と三義務論
IV 『道徳哲学史』と『娯楽論』
V おわりに
第2章 バルベラック『娯楽論』研究序説
――福音道徳と理性
I はじめに
II 「善悪無記の事物」としての娯楽
1 バルベラックの娯楽観
2 労働と娯楽
3 使用と誤用の区別
4 聖書における娯楽
III 福音道徳と理性
IV 節制・正義・信仰心の義務
V 節制と欲望
VI 自己評価と「キリスト教の謙遜」
VII 自己評価論とキリスト教的人間像
1 ロックにおける「世論ないし世評の法」
2 ニコルとバルベラックの自己評価論
VIII おわりに ――「真のキリスト教徒」と『娯楽論』
第3章 バルベラックの「啓発された自己愛」
I はじめに
II プーフェンドルフの自然状態論
1 ホッブズへの反論
2 スピノザへの反論
3 自然状態における「正しい理性」
III 「正しい理性」と「啓発された自己愛」
1 自然法と「正しい理性」
2 社交性と「啓発された自己愛」
IV 「自己への義務」と「啓発された自己愛」
V おわりに ――バルベラックとニコルの自己愛概念
第4章 ティロットスンのキリスト教的人間像(感覚・理性・信仰)
――バルベラックの思想との関連性をめぐって
I はじめに
II バルベラックのキリスト教的人間像
1 洗練可能な人間本性
2 理性への信頼 ――懐疑論批判
III ティロットスンのキリスト教的人間像 ――感覚・理性・信仰
1 神からの賜物としての感覚と理性
2 感覚と信仰
(1) 感覚の確実性 ――実体変化批判をめぐって
(2) 実体変化批判の反響
(3) ティロットスンの信仰概念
(4) 聖書における信仰と感覚
3 理性と信仰
(1) 理性の光と信仰の光の一致
(2) 合理的な宗教と教父への評価
4 感覚と理性
――ティロットスンとケンブリッジ・プラトニスト
IV おわりに
第5章 「直観」の哲学史 ――「道徳科学」と「精神哲学」
I はじめに
II ビーティとキャンブルの明証論 ――直観と常識
1 ビーティの道徳哲学体系
2 ビーティの明証論
3 キャンブルの明証論
4 ビーティとキャンブルの明証論の比較
III ヒューム批判と直観的原理
――キャンブル,ビーティ,リードを中心に
1 ヒュームの奇跡論への批判 ――証言と経験
2 直観的原理と「信じやすさ」
3 ビーティの懐疑論批判
4 リードの観念理論批判
IV プレヴォとドゥーガルド・ステュアートのカント解釈
1 プレヴォの経歴と著作活動
2 プレヴォの『近代哲学三学派』 ――カント哲学の紹介
(1) スコットランド学派
(2) フランス学派
(3) ドイツ学派
3 ドゥーガルド・ステュアートのカント解釈
――カドワースとの類似性の指摘
V おわりに
終章 スコットランド哲学のフランスへの伝播
――ジェランド『哲学体系比較史』をめぐって
付録1 バルベラックの著作目録
付録2 ブッデウス『自然法史』(ジョンスン版)
付録3 ティロットスン著作集と仏訳版における説教の収録順
付録4 ジョゼフ=マリ・ドゥ・ジェランド『哲学体系比較史
――人知原理との関連性』
参考文献
あとがき
索引(人名・事項)
*以下,版元の紹介ページです。
https://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=5028