西沢保・平井俊顕編著『ケンブリッジ 知の探訪〜経済学・哲学・文芸』ミネルヴァ書房,2018年10月
出版年月:2018年10月
判型・ページ数:A5・408ページ
定価:本体5,500円+税
ISBN:978-4-6230-8103-5
序 章 ケンブリッジ 知の探訪(西沢 保・平井俊顕)
1 展望的描写
2 各章の概要
第I部 マーシャルの経済思想とピグーの厚生経済学
第1章 マーシャルとケンブリッジ学派――マーシャル型の新古典派(藤井賢治)
1 「マーシャル型の新古典派」と「ワルラス型の新古典派」
2 「限界革命」とマーシャル
3 二つの「新古典派」
4 「マーシャル型の新古典派」の特徴
5 マーシャルの復活
第2章 マーシャルの経済思想――「進歩」と福祉・幸福の追究(西沢 保)
1 「時代の精神」
2 19世紀における人間性の進歩と生物学的思考
3 「生活基準」との関係における進歩
4 富と生,仕事と生活,富と活動の科学
5 進歩=有機的成長の基礎――道徳,教育,環境
6 経済的将来の可能性――社会哲学と資本主義観
第3章 ケンブリッジの厚生経済学(山崎 聡・高見典和)
1 厚生経済学への歴史的視点
2 シジウィックの功利主義的経済学
3 マーシャルの可塑的人間観と余剰概念
4 ピグー――ケンブリッジ厚生経済学の集大成
5 ケンブリッジ学派の評価
第II部 ケインズ革命をめぐって
第4章 ケインズ革命とは何か――マーシャルからケインズへ(小峯 敦)
1 「ケインズ革命」の論じ方
2 トライポスの創設とその改定
3 マーシャル的伝統の確立
4 「ケンブリッジ学派」の形成
5 「ケインズ革命」の確立
第5章 マーシャル経済学からケインズ経済学へ――1930年前後のケンブリッジにおけるカーンの役割(袴田兆彦)
1 ケンブリッジにおけるマーシャルの伝統
2 マーシャルの経済学
3 カーンの略歴――1933年まで
4 カーンの思考とその発展
5 ケインズへの影響
6 カーンとケインズ
第6章 ケンブリッジ学派の景気循環論(下平裕之)
1 マーシャルの景気循環論とその展開
2 ロバートソンによる実物的景気循環論の展開――『産業変動の研究』
3 信用経済における景気循環論の展開――『銀行政策と価格水準』
4 景気循環と利子率――『貨幣論』から「産業変動と自然利子率」へ
5 『一般理論』とその批判
6 ロバートソンの景気循環論の到達点――『経済原論講義』
7 ロバートソンとケンブリッジ学派の景気循環論
第7章 ケインズ経済学の貨幣的側面――ポスト・ケインジアンによる貨幣経済理論の展開(渡辺良夫)
1 貨幣経済理論の着想
2 貨幣的均衡アプローチ
3 金融不安定性アプローチ
4 内生的貨幣アプローチ
5 ケインズ貨幣経済理論の現代的意義
第III部 ケンブリッジの哲学・社会哲学・文芸
第8章 ケインズにおける哲学・芸術・経済学――啓蒙主義対ロマン主義の構図に照らして(塩野谷祐一)
1 ケインズの全体像を求めて――総体としての多面性
2 ロマン主義とは何か
3 ケインズの哲学
4 ケインズの哲学の総括と解釈
5 結 語
第9章 戦間期ケンブリッジの社会哲学――市場経済の病弊と治癒(平井俊顕)
1 マーシャルの時代――素描
2 ケインズ――「ニュー・リベラリズム」
3 ピグー――社会主義か資本主義か?
4 ロバートソン――自由主義的干渉主義
5 ホートリー――資本主義にたいする倫理的批判
6 ケインズの時代
第10章 ケンブリッジの哲学状況(伊藤邦武)
1 ケンブリッジの経済学者と哲学者
2 ラッセルとムーア
3 前期ウィトゲンシュタイン
4 論理実証主義
5 後期ウィトゲンシュタイン
第11章 ブルームズベリー・グループ(中矢俊博)
1 ケインズとブルームズベリー・グループ
2 ブルームズベリー・グループの特徴
3 メンバーの個性と交流
4 ケインズの多様性に富んだ人生
あとがき
人名・事項索引
※以下,版元の紹介ページです。
http://www.minervashobo.co.jp/book/b373377.html