桑田学『経済的思考の転回:世紀転換期の科学と統治をめぐる知の系譜』以文社、2014年07月。
四六判 上製カバー装 320頁
定価:本体3,000円+税
ISBN 978-4-7531-0320-1 C0010
・目次
序
〈経済〉の原像
熱力学と経済思想
〈経済〉の統治をめぐって
第一章 生物経済学(バイオエコノミクス)の源流
一 力学的自然像の崩壊
カルノーからクラウジウスへ
永久機関の不可能性
二 エネルゲティーク
オストヴァルトの自然哲学
エネルギーと文化理論
三 生命と富
四 生命-都市(バイオポリス)の経済学
経済学原理の分析
ゲデスの地域主義
五 富と負債
反転する科学
ソディのエルゴソフィ
仮想的富、負債の法則
六 社会エネルギー論とハイエク
〈オイコス〉の再建
「科学」の方法
「科学」による統治
自由な社会の敵?
第二章 自然経済の理論――オットー・ノイラートの経済思想
一 社会主義計算論争の失われた位相
標準的解釈
代替的解釈
計算論争の失われた位相
二 ノイラートの問題圏
古代経済史と戦時経済の研究
実践する社会主義者として
ウィーン学団の異端者
三 幸福の地勢学(トポロジー)
〈経済〉の歴史的・批判的分析
フェリシトロジー
〈地質学的主体〉としての人間
自由なる展望
第三章 経済的統治の論法――エコノミーからカタラクシーへ
一 科学的ユートピアの実践
二 計算合理性への鈍化
ミーゼスとウェーバー
市場社会主義
三 社会工学の陥穽
集中・統合できない知識
テクノクラート批判
四 エコノミーとカタラクシー
経済的主権者の不可能性
形式化するエコノミー
第四章 オイコノミアと自然の理法
一 似非合理主義批判
二 〈経済〉の合理性
収益性と経済性
実質経済学の系譜――ノイラート、カップ、ポランニー
社会工学と統一科学
三 経済的寛容と多元主義の原理――societas societatum
機能的社会主義
経済的寛容
モニズムへの対抗
四 社会化と自由の生産
結び
注
あとがき
参考文献
索引
・版元の紹介ページ
http://www.ibunsha.co.jp/0320.html