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2018年 3月 13日(火)
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 13時00分~17時00分
2018年度共通論題・事前研究会のご案内
3月13日(火)に開催する「2018年度共通論題・事前研究会」のご案内です。

多くの会員の参加を歓迎いたしますが、会場建物の入場には事前登録が必要です。
参加を希望される方は、「3月6日(火)」までに(このMLメールへの返信ではなく)
佐藤のアドレス宛(masanobu[at]kansai-u.ac.jp)に必ずご連絡いただくようお願いいたします。

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「経済学史学会2018年度共通論題」事前研究会

 本研究会は、本年6月に東京大学本郷キャンパスで開催する経済学史学会第82回全国大会の
共通論題「日本経済思想の貢献 1968→2018」(企画責任者:橋本努、佐藤方宣)に向けた
事前検討会です。

 多くの会員の参加を歓迎しますが、会場建物の入場には「事前登録」が必要です。
参加を希望される方は、「3月6日(火)」までに佐藤方宣(masanobu[at]kansai-u.ac.jp)宛に
ご連絡いただくようお願いします。


日時:2018年3月13 日(火曜)13:00〜17:00 
会場:北海道大学東京オフィス・小会議室
   https://www.hokudai.ac.jp/introduction/satellites/tokyo/

13:00〜14:30
報告:「スミス市民社会論の日本的受容をめぐって――内田義彦『経済学の生誕』の生誕」 
 報告者:坂本達哉(慶応義塾大学)、討論者:玉手慎太郎(東京大学)

14:40〜15:40
草稿検討:『市民社会派マルクス主義』の市民社会論および現代中国に対する意義――望月清司氏『マルクス歴史理論の研究』を中心に」
 報告者:韓立新(清華大学、草稿提出のみ)、討論者:植村邦彦(関西大学)

15:40〜16:40
草稿検討:「塩野谷祐一の経済哲学:卓越主義的リベラリズムと社会改革の方法」
 報告者:斉藤尚(東北学院大学、草稿提出のみ)、討論者:佐藤方宣(関西大学)

16:40〜17:00
全体コメント:橋本努(北海道大学)、佐藤方宣(関西大学)

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共通論題「日本経済思想の貢献 1968→2018」趣意書
佐藤方宣・橋本努

 2018年は明治政府の成立から150年、世界的な学生運動の勃興から50年という節目の年である。
本共通論題では、近代化への磁力と反発を露わにした日本の経済思想(家)の貢献という観点から、
1968年以降の半世紀における知の発展を振り返りたい。

 1968年の学生運動が提起した最重要の問題は、公共・民間を問わず政府や大企業といった
大規模組織において、ますます硬直化する官僚制化(テクノクラート化)のもとで、
人々の精神がしだいに「心のないもの」となり、人々の関係が「疎外され無味乾燥化したもの」へと
変容していく事態に対してどのように対応するかであった。かかる硬直化のなかで、
旧態依然とした権威主義的支配が社会を覆い、また人々はかかる支配体制の下でしだいに
「体制順応主義(コンフォーミズム)」へ甘んじていくという、なし崩し的な「システム化」が
生じているとみなされた。かかるシステム化に対する根本的な問題提起をなしたのが1968年の
学生運動であり、その思想的背景には左派・ラディカル左派の哲学があった。

 ところがその後の左派思想は、官僚制批判の観点を弱めていく。代わって官僚制批判を
受け継いだのはネオリベラリズムやリバタリアニズムなどの右派思想であった。
ある意味でこれらの右派思想は、1968年の学生運動が提起した問題に対する一つのシステム的応答
であったと解釈することもできる。多くの論客は「官僚制化」に対抗しうる「市民社会」の領域に
経済の理想を託したが、ところが市民社会論のその後の展開は、国家に対抗する力を失っていく。
この50年間で思想の布置連関は大きく変化した。

 では1968年以降の日本経済思想は、いかなる独自の貢献をなしたのか。少なくとも次の5つが
浮かび上がる。(i)大河内一男以降のスミス研究と市民社会論、(ii)マルクスを市民社会論として
読んだ平田清明・望月清司理論とその後の市民社会論、(iii)宇沢弘文や玉野井芳郎などにみる
公害問題への対応とエコロジー思想の展開、(iv)モラル・サイエンスとしての経済学と規範理論の発展、
とりわけ経済倫理における塩野谷祐一の貢献(ケインズ主義や厚生経済学を継承する流れ)、
(v)置塩信雄・森嶋通夫の業績を筆頭とする古典派経済学の数理的モデルの構築、
および森嶋によるネオリベラリズム批判。

 本共通論題では、学会内外の多くから耳目を集めるためにも、特定の領域に限定せず、
むしろ「1968年以後」という時代の全体的な潮流を、本共通論題における各報告者および討論者の
観点からそれぞれ問い直すという接近方法を採りたい。報告者と討論者には1968年の時代状況を
体験した人物のほかに、若手や中堅も含めることで世代間の交流が生まれるように企図した。
またその際、テーマにふさわしい報告者を探す際に直面した諸事情から、本共通論題では、
テーマを上記の(i), (ii), (iv)に絞ることになった。しかしながら本企画の趣意は、
1968年以降の日本の経済思想全体を振り返ることであり、討論者およびフロアからの質問には、
さまざまな観点からの問題提起を期待したい。
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 以上、どうぞよろしくお願いいたします。

 佐藤方宣 関西大学経済学部 masanobu[at]kansai-u.ac.jp

 

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