大森郁夫『文明社会の貨幣:貨幣数量説が生まれるまで』知泉書館、2012年1月。
本体価格6,000円
ISBN978-4-86285-125-3
A5判上製390頁
・目次
第I部 文明社会の貨幣―歴史的・理論的・方法的序説
第一章 緒論 文明社会における貨幣のフォルム
「一七世紀の危機」と貨幣の役割/〈貨幣=富〉観をめぐるパラドクス
/貨幣数量説の文明社会論的考察
第二章 初期貨幣理論の諸形態―数量説とその対抗理論
貨幣数量説をめぐる諸見解/初期数量説の論理構成/対抗諸理論
の系譜
第三章 インテルメッツォ 本書の構成と方法
本書の構成/若干の方法的スケッチ
第II部 文明社会における「貨幣の豊富」―
〈二人のジョン〉を中心に
第四章 「貨幣の豊富」の経済理論(1)――ロックの影響
「貨幣の豊富」と「不足」について/ジョン・ロックの機械的数量説/
ジェイコブ・ヴァンダーリントの正貨自動調整論/
ジョージ・バークリィの条件設定―「他の事情が等しいならば」の内容/
ジョウゼフ・ハリスの実物分析
第五章 「貨幣の豊富」の経済理論(2)―「ローの企画(スキーム)」の衝撃
ジョン・ローのロック数量説批判―需給説的貨幣価値論の復活/モン
テスキューの価格数量説/リチャード・カンティロンの連続的影響説
/〈二人のジョン〉を取り巻く数量説的環境―ヒュームへの小括
第III部 文明社会の危機と貨幣―理論化と多様化
第六章 デヴィッド・ヒュームの新しい数量説
文明社会における貨幣の性質と機能/正貨自動調整論の提示と比例
性への懐疑/連続的影響説と「貨幣の豊富」/ヒューム型数量説の
誕生/経験論の方法と一八世紀貨幣論争の始まり
第七章 ジェイムズ・ステュアートのヒューム数量説批判
アートとしての貨幣/「モンテスキューとヒューム両氏の学説」/
数量説批判の諸条件/数量説による「統合」の論理と有効需要論/
数量説を 超えて
第八章 結び 文明社会の危機とアダム・スミスの数量説認識
文明社会の現実とヴィジョン/貨幣機能と「法学講義」の自動調整論
/ 『国富論』における反数量説的言辞と数量説的思考の残渣/文明
社会の貨幣―<貨幣=富> 観の終焉?
・版元の紹介ページ
http://www.chisen.co.jp/book/book_shosai/2012/125-3.html