八木紀一郎・服部茂幸・江頭進編『進化経済学の諸潮流』日本経済評論社、2011年1月。
定価:本体5800円+税
ISBN:978-4-8188-2134-7
判型:A5判
頁:336頁
刊行:2011年01月
・目次
はしがき
第1章 進化的社会科学のなかでの主観主義と客観主義 八木紀一郎
1.はじめに
2.社会科学における主観主義と客観主義の純化
3.20世紀経済学における均衡と進化
4.進化経済学における主観主義と客観主義
第I部 理論・方法論
第2章 進化経済学における市場理論──相対取引を前提として── 江頭進
1.はじめに
2.一物一価についての考察
3.モデルの設定
4.シミュレーションの結果とその考察
5.進化経済学における市場理論とは何か
6.おわりに
第3章 制度の経済学的主体とその基礎 荒川章義
1.新古典派的主体と制度の経済学的主体
2.最適化行動と慣習に基づいた行動
3.プラグマティズムの哲学
4.マルクスの人間観
5.主体批判としての制度の経済学
第4章 「新しい経済学」と進化経済学 小山友介
1.女王陛下の質問と「新しい経済学」
2.「新しい経済学」と進化経済学
3.「新しい経済学」のモデル観
4.主流派経済学のモデル観──サットンの境界設定アプローチ──
5.パラダイム間の接続可能性
第5章 制度分析における「未解決問題」と経済実験の有用性 小川一仁
1.はじめに
2.制度分析における「未解決問題」
3.経済実験の可能性
4.おわりに
第6章 マルクスにおける制度と調整 宇仁宏幸
1.はじめに
2.市場的調整
3.規 制
4.ヒエラルキー
5.コーディネーション
第II部 応用編
第7章 経営者資本主義からファンド資本主義へ──現代資本主義の変貌── 服部茂幸
1.はじめに──経営者資本主義からファンド資本主義へ──
2.経営者資本主義の崩壊とファンド資本主義の成立
3.ファンド資本主義と資本主義の新しい病
4.おわりに
第8章 法と労使関係の進化──フランス35時間労働法を巡って── 清水耕一
1.はじめに
2.35時間労働法を巡る政治的アクターの行動と政治的選択
3.右派政権の反35時間労働政策と労使関係
4.おわりに
第9章 携帯電話産業の発展の多様性 廣瀬弘毅
1.はじめに
2.携帯電話産業の特性
3.政策的方向性
4.ダイナミズムと規制
5.おわりに──進化経済学の視点から──
第10章 国境を越えた対立を引き起こした制度的赤字
──ウルグアイ川周辺のパルプ工場建設に関する対立について── ルイジ・アルベルト・ディマルティノ
1.はじめに
2.国境をまたいだ協力から愛国主義的な立場の支配へ
3.「グアレグアイチュ環境市民集会」(ACAG)
4.中央政府,州政府,市政府の役割について
5.おわりに
第III部 学 史
第11章 進化経済学における二つの企業者論──ヴェブレンとシュンペーター── 杭田俊之
1.はじめに
2.「経済進化」の様式と二つの企業者論
3.企業者の動機,利潤概念,資本概念の検討
4.トラスト化した資本主義における企業者
5.おわりに──企業者論の比較と考察──
第12章 ダーウィニズムをめぐる論争?──ハイエク・今西錦司対談再考── 吉野裕介
1.はじめに
2.「対談」当時のハイエクと今西
3.ハイエク晩年における進化論的主張
4.今西進化論の概要
5.今西進化論に対するハイエクの応答
6.おわりに──「対談」の意義──
第13章 カルドアの収穫逓増論の源流──ヤングの講義録とLSE時代を踏まえて── 木村雄一
1.はじめに
2.アリン・ヤングのLSE登場と講義
3.カルドアの収穫逓増論の深化とヤングの影響
4.おわりに
第14章 知識の進化に関する学説史的考察 中村隆之
1.はじめに
2.アダム・スミス──分業論──
3.リカード──再生産と活動階級──
4.ハイエク──分散した知識の活用──
5.マーシャル──「組織」の力──
6.ケインズ──所有と経営の分離──
7.おわりに──我々は「知識の進化」という問題に,
どのように取り組むべきか──
索 引
・版元の紹介ページ
http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2134