中野剛志編『成長なき時代の「国家」を構想する:経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン』ナカニシヤ出版、2010年12月。
2010年12月発行
税込定価 2730円
四六判 408頁
ISBN978-4-7795-0513-3
・目次
序
──成長という限界 中野剛志
第I部 経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン 中野剛志
一 はじめに
二 リスクシナリオの設定
三 経済成長と福利
四 国内総生産から国民福利へ
五 生産活動と福利
六 経済政策を再定義する
七 まとめ
【Appendix 1】 政府の大きさに関する補論
【Appendix 2】 政府の大きさと経済開放度に関する各国比較
第II部 「オルタナティヴ・ヴィジョン」の諸論点
■「豊かさの質」の論じ方
──諦観と楽観のあいだ 佐藤方宣
■低成長下の分配とオルタナティヴ・ヴィジョン 久米功一
■幸福・福利・効用 安藤 馨
■外国人労働者の受け入れは、日本社会にとってプラスかマイナスか 浦山聖子
■配慮の範囲としての国民 大屋雄裕
■共同体と徳 谷口功一
■「養子」と「隠居」
──明治日本におけるリア王の運命 河野有理
■オルタナティヴ・ヴィジョンはユートピアか
──地域産業政策の転換 黒籔 誠
■"生産性の政治"の意義と限界
──ハイエクとドラッカーのファシズム論をてがかりとして 山中 優
■なぜ私はベーシック・インカムに反対なのか 萱野稔人
■低成長時代のケインズ主義 柴山桂太
■ボーダーレス世界を疑う
──「国作り」という観点の再評価 施 光恒
■グローバル金融秩序と埋め込まれた自由主義
──「ポスト・アメリカ」の世界秩序構想に向けて 五野井郁夫・安高啓朗
第III部 討議「経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン」をめぐって
中野剛志・松永和夫・松永明・大屋雄裕・萱野稔人・柴山桂太・谷口功一
・成長の意味を問い直す
・危機の時代だからこそ根源的な思考を
・政治哲学と日本の政治
・国家の問題にさかのぼって考える
・アメリカのヘゲモニーの終焉
・資本主義の新たなるステージ
・動揺する国民国家体制
・アメリカの覇権衰退の帰結は何か
・議論の枠組みの重要性
・権力の問題にきちんと向き合う
・成長こそ重要だという反論をどう捉えるか
・国家は経済にどう関与すべきか
・経済のロバストネスと共同体の役割
・国際的な競争と国内の国土保全を両立させる
・共同体の承認がコミュニケーション能力を育てる
・共同体概念を練り直す
・共同体の機能をいかに活用するか
・経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョンのために
【討議を終えて】
国家を問い直す 松永和夫
「強靭な経済社会」の構築に向けて 松永 明
・版元の紹介ページ
http://www.nakanishiya.co.jp/modules/myalbum/photo.php?lid=699