小峯敦編『経済思想のなかの貧困・福祉:近現代の日英における「経世済民」論』ミネルヴァ書房、2011年3月。
・目次
まえがき
序 章 なぜ経済思想から見た福祉なのか(小峯 敦)
1 はじめに
2 福祉と経済の関係
3 福祉の経済思想史(概観)
4 本書の特徴と構成
5 各章の要旨
6 おわりに
第1部 資本主義勃興期の経済思想
第1章 アダム・スミスにおける貧困と福祉の思想(新村 聡)
―高賃金の経済と国家の政策責任
1 はじめに
2 アダム・スミスにおける貧困と富裕の本質論
3 低賃金の支持論から高賃金の支持論へ
4 貧困の自己責任論から国家責任論へ
5 おわりに
第2章 マルサスの救貧思想(益永 淳)
―一時的救済の原理と実際的根拠
1 はじめに
2 救貧法の歴史的展開―エリザベス救貧法から対仏戦争後まで
3 『人口論』の救貧法分析?―飢饉のケースと一般的効果
4 『人口論』の救貧法分析?―戦後不況との関係
5 マルサスの困窮概念と困窮の分散という観点
6 『経済学原理』の救貧法分析
7 戦後不況下における一時的救済の容認
8 おわりに
第3章 マルクスにおける国家論と社会政策(石井 穣)
―資本の機能的要請と階級的関係とを踏まえて
1 はじめに
2 マルクスの国家論と福祉
3 階級的関係と社会政策
4 資本家階級の機能的要請
5 おわりに
第2部 福祉国家をめぐる経済思想
第4章 1910-1920年代における福祉の経済思想(小峯 敦)
―社会と経済の分離・包含・併存
1 はじめに
2 19世紀末からの社会と経済学
3 正統と異端
4 有力な経済学者たち
5 おわりに―新しい問題の出現
第5章 家族手当をめぐる1920年代の多様な構想(赤木 誠)
―フェミニズム・標準家族・非標準家族
1 はじめに
2 歴史的背景
3 母親手当をめぐるフェミニズム運動
4 標準家族に対する児童手当構想
5 家族給付協会による家族手当運動
6 おわりに
第6章 ハイエクの福祉国家批判と理想的制度論(太子堂正称)
―自由な市場秩序の前提条件
1 はじめに
2 ハイエクの福祉国家批判
3 民主主義と経済政策
4 ハイエクの理想的福祉制度論
5 おわりに
第7章 ブレア新労働党の社会経済思想(深井英喜)
―公平と効率の調和と社会的排除概念
1 はじめに
2 新労働党の福祉国家改革―Opportunity for Allの理念体系
3 新労働党の社会経済学
4 新労働党は社会民主主義の現代版か
5 おわりに
第3部 近現代日本の経済思想
第8章 太宰春台と中井竹山の「経済」思想(西岡幹雄)
―江戸期の「厚生」と社倉・「固寧」
1 はじめに
2 太宰春台における「利用厚生ノ道」の制度化
3 中井竹山の「経済」思想と「義利」
4 厚生のための「固寧」の「制度組立」―中井竹山の社倉構想
5 おわりに
第9章 高田保馬の貧困論(牧野邦昭)
―貧乏・人口・民族
1 はじめに
2 産めよ殖えよ―高田保馬の貧困解決策
3 高田の社会学・経済学における貧乏と人口・民族
4 高田の貧困論の結果
5 おわりに
人物一覧(松山直樹)
人名索引(松山直樹)
事項索引(松山直樹)
・版元の紹介ページ
http://www.minervashobo.co.jp/book/b87044.html