服部正治『穀物の経済思想史』知泉書館、2017年10月
初版刊行日:2017年10月30日
判型:菊判
ページ数:488ページ
定価:6,500円+税
ISBNコード:9784862852632
目次
まえがき
序章 小麦パンの地位
第1章 自由貿易論における穀物――アダム・スミス
1 『国富論』における国内分業と国際分業
2 地代論――『国富論』における穀物 1
3 穀物輸出奨励金批判――『国富論』における穀物 2
4 穀物国内取引の自由と穀物自由貿易『国富論』における穀物 3
5 価格メカニズムと農業
第2章 経済発展における地代――トマス・ロバート・マルサス
1 人口論と穀物の地位――ジェイムズ・ミル
2 穀物価格下落が意味すること
3 地代の本質と経済における地位
4 穀物法による農工並立国の維持
5 穀物自由貿易の前提
6 農業保護主義からの離脱
第3章 穀物の価値と経済発展――ディヴィッド・リカードウ
1 地代の性質と地代増減の法則
2 賃金と利潤と「蓄積の終焉」
3 穀物価格と農業資本家
4 超過利潤と地代との改良投資――マルサスとの対比
5 比較生産費説の論理と現実
6 『農業保護論』
7 穀物輸出国の生産事情――1821年農業不況委員会
8 差額地代論と穀物輸入
第4章 大陸諸国の穀物輸出能力と国内農業改良
1 ヨーロッパ大陸の穀物輸出能力――ウィリアム・ジェイコブ
2 イギリスにおける農業改良の進展――ジェイムズ・ウィルソンとG.R.ポーター
3 農業改良と地代の増加――J.R.マカロック
第5章 食料安全保障と帝国
1 植民地穀物と食料安全保障――H.T.コールブローク
2 「適切で妥当な保護のもとでの穀物自由貿易」――ウィリアム・ハスキソン
3 食料自給と帝国――アーチボルド・アリソン
4 イギリス社会の植民地への移植――E.G.ウェイクフィールド
第6章 穀物輸入の急増と経済学における「限界革命」
1 穀物法廃止後の小麦輸入の急増――W.W.ホイットモア,T.トゥック,J.S.ミル
2 穀作から畜産へ――ジェイムズ・ケアード
3 自由貿易による繁栄と限界効用価値説――W.S.ジェヴォンズ
4 食料輸入の増大と大不況――スティブン・ボォーン
第7章 穀物自給率の低落と関税改革論争
1 自給帝国――ウィリアム・カニンガム
2 穀物関税と『穀物法の歴史』――J.S.ニコルソン
3 「連邦化されたアングロ-サクソンダム」――アルフレッド・マーシャル
4 収穫逓減法則と準地代――アルフレッド・マーシャル
第8章 第一次世界大戦における穀物
1 第一次大戦直前における穀物
2 戦時食料安全保障――『戦時食料王立委員会報告』(1905年)とコナン・ドイル
3 食料配給と穀物――ウィリアム・ベヴァリッジ
4 戦間期における穀物
第9章 第二次世界大戦における穀物
1 新小麦政策
2 戦時食料政策論――J.B.オール
3 世界食料政策論――J.B.オール
4 小麦の政治化
5 パンの配給制と英加小麦協定――ジョン・ストレイチー
第10章 EC加盟と小麦の自給化
1 1947年農業法
2 国民経済における農業の位置――E.M.H.ロイドとA.ロビンソン
3 EEC加盟申請と小麦の競争力
4 EC加盟と世界食料危機:小麦自給化――『自国資源からの食料』(1975年)と『農業と国民』(1979年)
5 小麦の自給化と世論の変化
終章 穀物安定供給
あとがき
*以下,版元の紹介ページです。
http://www.chisen.co.jp/book/b329900.html